Stained Glass

真に目指すのは “やすらぎの光” 腐蝕が生み出すはかなげで甘やかな色彩

ガラスと鉛というキャンパスの上に作り上げられた光と色の世界は、非常にデリケートで、微妙な光線の変化や見る人の気持ちによって多彩な表情が現れます。

ステンドグラスはキネテックアート(可変芸術)と言われる所以は・・・
絵や彫刻などほとんどの美術品は反射光による鑑賞ですが、ステンドグラスだけは透過光による芸術鑑賞。
朝夕、雨の日、晴れの日、春夏秋冬、さまざまに変わる光の陰影やきらめき、床に映る刻々と移り変わる模様。そんな風景のある暮らしは、喜びや潤いをもたらすことでしょう。
たとえば夕暮れ時、明かりを灯すと、ステンドグラスを透した美しい光が、家の中から外に向かって放たれます、その光の表情は見知らぬ道行く人の心を一瞬で暖かく包んでくれるのではないでしょうか。


ヨーロッパ伝統の「ステンドグラス」

ヨーロッパでは「ステンドグラス」とはその字のとおり「ステイン」されたガラス。

     【stain】 しみをつける、退色させる

ガラスという素材に、エイシッド処理による腐蝕、顔料による絵付け(線描き、調子づけ)、焼成などを施されている物がステンドグラスとよばれます。

1枚1枚表情のちがう種類の豊富な手作りのガラスに、ヨーロッパで代々職人たちによって受け継がれ、探求されてきた絵付けや腐蝕等、様々な技法を施し、命を吹き込むからこそ、ステンドグラスは美術工芸品としての存在価値が認められているのです。


■エイシッド技法・・・酸でガラスを腐蝕させて濃淡で表現する技法。
■絵付け・・・・・・・顔料をつかって線描きや調子づけを施す技法。

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